日本大学図書館には、総合図書館の時代からさまざまな貴重資料が保管されていました。これまで日本大学図書館では「古典籍資料目録」として冊子体の書誌目録を発行してきましたが、今回は新たにWEB上で「歌舞伎番付」の資料を画像で公開することとなりました。ここに閲覧できるようになったのは、役割・辻・絵本・顔見せなどの番付類、絵尽・錦絵・冊子など、江戸時代の歌舞伎を中心とした演劇関係資料です。全てカラー画像で約3万カットが収録されています。これらの資料を通して、『歌舞伎年表』(伊原青々園)未収録の番付など、今まで知られていない興行の記録があらわれ、評判記などではまったく見えてこない実際の演技が絵入の番付からうかがえるようになりました。いまでこそ、歌舞伎は日本の伝統演劇として国際的にも高い評価を受け、多くの愛好家やファンを生み出していますが、その独自な演劇がまだ新鮮な現代劇として生まれ、かたちを整えていく当時の〈現場〉がこれらの画像資料を通して臨場感あふれるままに浮かび上がってきます。
 また、このデジタルアーカイブは、日本大学による実用的・実際的なデジタルミュージアムの第一歩となるものです。今後、本学所蔵資料のデジタル公開に向けてさらなる調査と基礎作業を進めていく予定です。ひろくご支援とご協力をお願いいたします。
*「歌舞伎番付デジタルアーカイブ(WEB版)」製作については、文理学部の粕谷宏紀教授と歌舞伎研究会が編集にあたり、立命館大学アートリサーチセンターとの提携、八木書店の協力を得たことをおことわりし、関係各位に感謝申し上げます。
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